パワーブレイキング(ウィリョク)競技の魅力

テコンドーには、華やかな跳び蹴りを競う「スペシャルテクニック」や、スピードと駆け引きが交錯する「組手」など、さまざまな競技があります。その中で、最も静かで、最も重い緊張感をまとった競技が、パワーブレイキング(ウィリョク)です。多くの人が思い浮かべる「板割り」は、演武や余興のイメージが強いかもしれません。しかし、ITFテコンドーにおけるパワーブレイキングは、単なるデモンストレーションではありません。物理学に基づいた理論、極限まで鍛え上げられた攻撃部位、そして針の穴を通すような精神集中。それらが三位一体となって、初めて成立する極めて競技性の高い種目なのです。今回は、そんなパワーブレイキングの競技に詰まった魅力を紹介します。 パワーブレイキングのルール パワーブレイキングは、指定された手技・足技を用いて、一撃で何枚の板を完全に割れるかを競う競技です。男子は手技2種目(正拳、手刀)、足技3種目(横突蹴り、回し蹴り、後ろ回し蹴り)の計5種目、女子は手技1種目(手刀)、足技2種目(横突蹴り、回し蹴り)の計3種目を行い、それぞれで割った板の枚数(ポイント)の合計で勝敗が決まります。完全なポイントを獲得するためには板は一撃で完全に割らなければなりません。また、指定された攻撃部位以外が板に触れたり、試技の後にバランスを崩して転倒した場合も失敗と判定されます。手技・足技を通して、全身の「威力」を総合的に競う競技であることが大きな特徴です。※大会規定により競技形式が異なる場合があります。 テコンドー技術の結集 パワーブレイキングは、力が強ければ成功するわけではありません。大きな筋肉があっても、重い体重があっても、力を攻撃部位に伝える「技」の完成度が低ければ板は割れません。一方で、体格に恵まれていなくても、自身の潜在能力を効果的に引き出すことができれば、驚くほどの枚数を割る選手もいます。その潜在能力を最大限に引き出す理論を体系化したのが、創始者チェ・ホンヒ総裁による「力の理論」です。力の理論は、テコンドーのあらゆる競技に通じる考え方ですが、パワーブレイキングでは、それが身についているかどうかが、極めて明確に表れます。板が割れるか、割れないか。結果は、言い訳の余地なく示されるのです。 力の理論に関する記事はこちら。 「一撃しかない」という極限 パワーブレイキング最大の魅力は、やり直しのきかない一撃に、すべてを懸ける点にあります。型のように流れはなく、組手のように次の展開もありません。板の前に立ち、呼吸を整え、一瞬で決断し、打つ。迷いがあれば、板は割れません。力が足りなくても、割れません。集中が欠けても、割れません。この「一度きり」という条件が、その一撃の重みを高め、選手にとっても、観る者にとっても、この上ない緊張感を生み出します。そして、スペシャルテクニックの華やかさとも、組手の激しさとも異なる、静かで重い「武道的な迫力」が会場を包み込むのです。 恐怖心に打ち勝つ力 硬い板に、素手・素足で全力で向かえば、強い衝撃を受けるのは避けられません。痛みはもちろん、状況によっては怪我のリスクも伴います。しかし、恐怖を抱えたまま放った技は、フォームが乱れ、威力が逃げ、板が割れないばかりか、かえって危険を招くこともあります。自分の鍛錬を信じる。自分の技を信じる。恐怖を受け止めたうえで、技を放つ。パワーブレイキングは、技術だけでなく、恐怖と向き合い、それを越える心の強さを養う競技でもあります。 パワーブレイキングは、テコンドーの「力の理論」を具現化した、最も分かりやすい競技です。技術が結集し、覚悟が定まり、恐怖を越えた一撃が放たれたとき、割れた板の向こう側にある「積み重ね」が、観る者にも確かに伝わります。その重みと感動こそが、パワーブレイキングという競技の、何よりの魅力なのです。TKD-SORA(押上テコンドークラブ / テコンドー押上道場 )でも選手の育成を行っていきます。これから素晴らしい選手が育つことを楽しみにしています。

スペシャルテクニック(トゥッキ)競技の魅力

テコンドーの足技は多岐にわたりますが、その中でもひときわ華やかで、観る者の目を釘付けにする競技があります。それが「スペシャルテクニック(トゥッキ)」です。スペシャルテクニックは、ITFテコンドーの公式競技種目のひとつで、指定された跳び蹴りによって、「いかに高い場所」あるいは「いかに遠い場所」にある板を正確に蹴り割れるかを競います。高い打点での跳び蹴りを特徴とするテコンドーならではの競技であり、跳躍力、柔軟性、正確性といった身体能力を総合的に鍛えることができます。今回は、スペシャルテクニックの基本的なルールと、その奥にある魅力について紹介します。 スペシャルテクニックのルール ペシャルテクニックでは、あらかじめ定められた跳び蹴りの技で、「どれだけ高い位置にある板を蹴れるか」「どれだけ遠い位置にある板を正確に蹴れるか」を競います。指定される技は以下の5種目ですが、国内の多くの大会では①ティミョ・ノピチャギのみが採用されています。 ①ティミョ・ノピチャギ(跳び前蹴り)②ティミョ・トルリョチャギ(跳び回し蹴り)③ティミョ・パンデトルリョチャギ(跳び後ろ回し蹴り)④ティミョ・360°トルミョヨプチャチルギ(跳び360°横蹴り)⑤ティミョ・ノモチャギ(跳び乗り越え横蹴り) 試技後、審判は・成功と判断した場合は青旗・失敗と判断した場合は赤旗を掲げます。 判定の基準は、主に次の3点です。 ・完全な打撃板は完全に割るか、完全に蹴り抜かなければなりません。触れただけ、ヒビが入っただけでは無効となります。高い位置でも威力を失わない、確かな打撃力が求められます。・正確な部位技ごとに指定された方法・足の部位(足刀・上足底・踵など)で蹴る必要があります。偶然当たっただけの接触は評価されません。・着地のバランス板を割った後、転倒せずにバランスを保って着地し、制限時間内に指定された構えを取らなければなりません。これは「技を放った後も次に備える」という武道の精神(残心)に基づくものです。 青旗が過半数であれば有効、赤旗が過半数であれば無効となります。有効となった試技の高さや距離で勝者が決まります。 各技の特徴と見どころ ① ティミョ・ノピチャギ(跳び前蹴り)競技内容: 「高さ」を競う特徴:最も基本的でありながら、最も純粋な跳躍力が問われる技です。正面に設置された板に向かって助走し、高く跳び上がって前蹴りで板を割ります。見どころ:身体を小さく折りたたみ、バネのように一気に開放する瞬間。トップ選手になると、自身の身長を遥かに超える2メートル50センチ以上の高さに到達することもあります。まるで空中に階段があるかのように駆け上がる姿は圧巻です。 ② ティミョ・トルリョチャギ(跳び回し蹴り)競技内容: 「高さ」を競う特徴: 空中で体を捻り、回し蹴りで板を捉えます。垂直方向へのジャンプ力に加え、空中での腰の回転が必要となります。見どころ:空中で一度静止したかのように見える美しいフォーム。柔軟性がなければ足を高く上げても板に届きません。高さと美しさが同居する技です。 ③ ティミョ・パンデトルリョチャギ(跳び後ろ回し蹴り)競技内容: 「高さ」を競う特徴: 非常に難易度の高い技です。ジャンプと同時に空中で体を回転させ、その遠心力を利用して踵(かかと)で板を蹴り割ります。見どころ:ターゲットから一度目を切り、回転して再びターゲットを捉える「ブラインド」の要素が入ります。空間認識能力が極めて重要で、回転のスピードとタイミングが合致した時の破壊音は会場に響き渡ります。 ④ ティミョ・360°トルミョヨプチャチルギ(跳び360°横蹴り)競技内容: 「高さ」を競う特徴:名前の通り、空中で360度(1回転)してから横蹴りを放つ技です。フィギュアスケートのジャンプのような回転力と、正確なキックの制御が求められます。見どころ:最も華やかでアクロバティックな技です。回転の勢いを殺さずに、最後のインパクトへ繋げる空中制御はまさに職人芸。観客からの歓声が最も上がる種目の一つです。 ⑤ ティミョ・ノモチャギ(跳び乗り越え横蹴り)競技内容: 「距離(遠さ)」を競う特徴: この種目だけは高さを競うものではありません。障害物(ハードルなど)を飛び越え、その奥にある板を横蹴りで割ります。見どころ:陸上競技の幅跳びに、武道の打撃を加えたような競技です。長い滞空時間が必要で、空中を滑空するような「浮遊感」が見る者を魅了します。 スペシャルテクニックが育む力 スペシャルテクニックの鍛錬を通じて培われるのは、単なる脚力だけではありません。・爆発的な「跳躍力」・極限まで引き出された「柔軟性」・空中で身体を制御する「バランス感覚」・ミリ単位で狙いを定める「正確性」・観る者を惹きつける「表現力」といった、日常生活や他のスポーツにも通じる総合的な身体能力を身に付けることができます。 さらに、この競技には避けて通れない精神的な壁があります。それは、恐怖心に打ち勝つ「度胸」です。高い位置への挑戦、失敗すれば怪我につながる可能性、そして一度の試技が勝敗を左右する緊張感。選手は常に恐怖と隣り合わせの中で、制限時間内に助走し、跳び、技を出し切ります。その経験の積み重ねが、確かな度胸と自信を育てていきます。 スペシャルテクニックは、テコンドーの跳び蹴りを極限まで突き詰めた競技です。そこには、身体能力の追求と同時に、自分自身の限界に挑み続ける姿があります。観る者が心を動かされるのは、単なる高さや派手さだけではありません。恐怖と向き合い、それを越えた一瞬が、確かな説得力をもって演武に表れる、その瞬間こそが、スペシャルテクニックの最大の魅力なのです。TKD-SORA(押上テコンドークラブ / テコンドー押上道場 )でも選手の育成を行っていきます。これから素晴らしい選手が育つことを楽しみにしています。

組手(マッソギ)競技の魅力

「足のボクシング」と称されるように、テコンドーというと、多彩で力強い足技の応酬を思い浮かべる方が多いことでしょう。そのイメージを最も象徴している競技が、組手(マッソギ)です。組手は、単なる打撃の強さを競う競技ではありません。競技の目的は相手を倒すことではなく、より正確な技を競うことにあります。そこでは、技術、身体操作、戦略、そして精神力が、一瞬の攻防の中で総合的に問われます。今回は、そんな奥深い組手(マッソギ)に詰まった魅力について紹介します。 組手競技のルールに関する記事はこちら! 高度な技術の研鑽 組手では、顔面や胴体などの定められた部位に、突き技・蹴り技を的確に当てることでポイントが得られます。技の難易度や部位によって点数は異なり、上段蹴りや跳び蹴り、回転が加わった跳び蹴りといった高度な技ほど高得点となります。競技の目的は、あくまで「より正確で、より技術的に難易度の高い技を決めること」にあります。相手を意識的にノックアウトしたり、不必要なラフプレーをしたりした場合は厳しく注意や減点が適用されます。これにより、高度な技術の研鑽が促されるのです。 スピード感 組手の試合は、非常にスピード感があります。一歩の踏み込み、一瞬の反応、一拍の遅れが、そのまま得点や失点につながります。選手は常に相手との距離を測りながら、「今、入るのか」「今は待つのか」を瞬時に判断しています。この間合いとタイミングの攻防が、組手ならではの緊張感と見応えを生み出します。 駆け引きと戦略 組手は、力や速さだけでなく、戦略と戦術が色濃く反映される競技です。フェイントで相手を動かし、反応を引き出し、狙いを定めて技を出す。そうした駆け引きの積み重ねによって、試合の流れは大きく変わります。どの技を見せ、どの技を本命にするのか。突きで崩すのか、蹴りで仕留めるのか。選手ごとの判断や個性が、そのまま試合内容に表れる点も、組手の大きな魅力です。 精神力の向上 組手では、攻撃を受ける可能性と常に向き合うことになります。痛みや恐怖を感じる場面でも、感情に流されず、冷静に状況を判断し続ける力が求められます。緊張感の中で、自分の技を信じ、出し切る。その一瞬に、これまで積み重ねてきた稽古や覚悟が凝縮されます。観る側にも、その張り詰めた空気は自然と伝わってきます。 団体戦の魅力 個人競技としての側面が強い組手ですが、団体組手では、また異なる魅力が生まれます。どの順番で選手を配置するのか、相手チームの誰と誰を当てるのか。そこには、個々の実力だけでなく、チームとしての戦略が問われます。また、団体戦では、結束力や信頼関係が、試合でのパフォーマンスに影響を与えます。個人の力とチームの力が重なり合う点も、組手の大きな見どころです。 組手(マッソギ)は、技術、判断力、精神力が一瞬で試される競技です。そこには厳しさと真剣さがあり、同時に、テコンドーならではの美しさと知性が表れます。スピードと迫力の裏側にある、緻密な技術と巧みな戦略、それこそが、組手(マッソギ)の本質的な魅力だと言えるでしょう。TKD-SORA(押上テコンドークラブ / テコンドー押上道場 )でも選手の育成を行っていきます。これから素晴らしい選手が育つことを楽しみにしています。

型(トゥル)競技の魅力

テコンドーというと、華やかな足技やスピード感あふれる組手(マッソギ)を思い浮かべる方が多いかもしれません。確かに、華麗でダイナミックな足技が飛び交う組手は、テコンドーを象徴する大きな魅力のひとつです。しかし、テコンドーには、競技としても修練体系としても極めて重要な種目があります。それが「型(トゥル)」です。型には、約1,200の足技と約2,000の手技、合わせて3,200にも及ぶ技が体系的に組み込まれています。テコンドーの一般的な印象とは異なり、実は手技の方が数としては多い点も、型の奥深さを物語っています。型は、仮想の敵との攻防を通して、技術・身体操作・精神力を総合的に表現する競技です。そこには、競技者自身の積み重ねが色濃く表れ、同時に、観る者の心を動かす力があります。今回は、テコンドーの技術と精神が凝縮された「型(トゥル)」について、その魅力を解説します。 型競技のルールに関する記事はこちら! 実践的な技の習得 型は、仮想の敵(一人、または複数人)との攻防を想定した一連の動きであり、防御、反撃、そして次の行動へと途切れることのない集中力をもって、流れるように演武するものです。組手(マッソギ)では安全性から制限される、手刀、肘、指先など、様々な部位を使った動作や、後頭部、背面、下半身などの急所への攻撃、関節技、様々なシチュエーションに対する護身的な要素も、型の中には数多く含まれています。型を学ぶことは、テコンドーの技術をより実戦的に理解することにつながります。 自己との対話 型の稽古は、まさに自己鍛錬そのものです。型競技には、組手競技のように目の前で対峙する相手はいません。勝敗を分けるのは、他者ではなく、自分自身の精度と完成度です。評価されるのは、型の規定の正確さに加え、力強さ、呼吸、リズム、バランスといった要素の総合力です。これらは一朝一夕で身につくものではなく、日々の反復練習の積み重ねによってしか磨かれません。練習の量と質が、そのまま演武に表れるため、型は「今の自分がどこまで積み重ねてきたか」を如実に映し出します。調子の良し悪しも含め、すべてを受け入れて演武に臨む経験は、技術だけでなく、精神面の成長にも大きく寄与します。 技が織りなす造形美 型の魅力のひとつは、その美しさにあります。力強さとしなやかさ、動きの緩急やキレ、そして型の大きな特徴である「サイン・ウェーブ」と呼ばれる、上下動を伴うテコンドー独特の身体操作。これらが噛み合ったとき、型は単なる技の連続ではなく、ひとつの完成された表現として観る者の目を引きつけます。団体戦でも、その造形美が際立ちます。複数人の動きが完全に揃った瞬間の迫力は圧巻であり、技の一致だけでなく、呼吸や間、目線までもが一体となったとき、会場全体は強い緊張感が走ります。メンバー全員の動き、呼吸、目線のすべてが合うように、血のにじむような稽古が重ねられます。そこに至るまでには、自身の動きの癖と向き合い、他者に合わせるための血のにじむような稽古が欠かせません。個の完成度を高めるだけでなく、全体の中で自分を機能させることができたとき、選手としての技術と意識は、確かに次の段階へと引き上げられます。 努力の集大成 前述のとおり、型は努力の積み重ねがそのまま表れる競技です。自分が積み上げてきた努力を、そのまま表現できるという点に、型ならではの大きなやりがいがあります。同時に、型のパフォーマンスには、稽古の量や質、試行錯誤の過程、そして試合に臨む覚悟が自然とにじみ出ます。だからこそ、ひとつひとつの動きに説得力が生まれ、深い感動を呼び起こすのです。 型は、テコンドーの膨大な技術と精神を一つにまとめ上げた、奥深い稽古であり競技です。競技者にとっては、技術と精神を磨き上げる自己鍛錬の場であり、観戦者にとっては、美しさと努力の物語を感じ取れる、静かな迫力を持った競技でもあります。足技だけでは語り尽くせないテコンドーの本質は、型の中にこそ凝縮されている、そう言っても過言ではないでしょう。TKD-SORA(押上テコンドークラブ / テコンドー押上道場 )でも選手の育成を行っていきます。これから素晴らしい選手が育つことを楽しみにしています。

テコンドーの4つの競技種目

ITF(国際テコンドー連盟)テコンドーには、「型(トゥル)」「組手(マッソギ)」「スペシャルテクニック(トゥッキ)」「パワーブレイキング(ウィリョク)」という、4つの競技種目があります。これらは単なる競技の分類ではなく、テコンドーの技術・身体・精神を多角的に育てるための体系そのものです。TKD-SORA(押上テコンドークラブ / テコンドー押上道場 )では選手の育成を行っています。この記事では、それぞれの競技の特徴、大会や昇級審査・昇段審査との関係を整理しながら、ITFテコンドーが大切にしている「総合的な強さ」について紹介します。 各競技の特徴 ・型(トゥル)の特徴型(トゥル)は、決められた演武線の上で、決められた技を正確に行う競技で、型の規定、力強さ、呼吸調整、リズム、バランスの優劣を競います。一人で行う演武ですが、複数の仮想の相手と戦う状況が想定されています。型は、テコンドーにおけるすべての技の原点です。正しい姿勢や体重移動、無駄のない力の使い方を身につけることで、他の競技の土台となる身体操作が養われます。 ・組手(マッソギ)の特徴組手(マッソギ)は、ルールの中で相手と向き合い、技を使って得点を競う競技です。定められた攻撃部位と防御部位があり、打撃のスピードやインパクトを伴ったコントロールされた有効な技のみが得点となります。特に上段蹴りや跳び蹴りは高得点が与えられます。組手では、技術だけでなく、間合いの管理やタイミング、一瞬の判断力が重要になります。また、相手を尊重しながら競い合う武道的な精神も強く求められます。 ・スペシャルテクニック(トゥッキ)の特徴スペシャルテクニックは、指定された跳び蹴りによって、高い位置、あるいは遠くに設置された板を割り、その高さや距離を競う競技です。テコンドーを象徴する跳び蹴り技術と身体能力が、最も分かりやすく表れる種目です。跳躍力だけでなく、空中でのバランス、体軸の安定、タイミングの正確さが結果を左右します。 ・パワーブレイキング(ウィリョク)の特徴パワーブレイキングは、指定された蹴り技や手技によって、重ねられた板を割り、その枚数を競う競技です。必要なのは、単純な筋力ではありません。正確な打点、体重移動のタイミング、そして「必ず割る」という集中力が不可欠です。技術と精神力が一致したときにのみ成功する、非常に武道的な競技と言えます。 競技大会の舞台 各競技が行われる大会には、様々なものがあります。ここでは主要なものを一例としてご紹介します。 ・地域の大会各地域や各道場が独自に行っている大会があります。型と組手に加え、スペシャルテクニックやパワーブレイキングが行われる大会もあります。 ・全日本ジュニア選手権大会全日本ジュニア選手権大会は、10歳から17歳の選抜された選手が出場する大会で、毎年開催されます。型・組手・スペシャルテクニックが実施されます。将来を担う選手の育成を目的とし、基礎技術に加えて、跳び蹴り技術の習熟度も重視されます。 ・全日本選手権大会予選を勝ち抜いた選手たちが競い合う国内最高峰の大会で、毎年開催されます。競技としては型と組手が行われ、完成度の高い技術で勝敗が競われます。型・組手いずれも、個人戦だけでなく、団体戦も行われます。また、勝敗はありませんが、演武としてスペシャルテクニックやパワーブレイキングが披露されることもあります。 ・国際大会(世界選手権・アジア選手権など)世界選手権やアジア大会は、世界のトップ選手が総合力を競い合う舞台であり、2年に1回、交互に開催されます。国際大会では、型・組手・スペシャルテクニック・パワーブレイキングの4種目すべてが行われます。他にも団体戦やセルフディフェンスの競技も行われます。 ・昇級審査・昇段審査昇級審査・昇段審査は、大会とは異なり、テコンドーの技術と精神を正しく身につけているかテコンドーの総合的な技術を発揮する場です。各級・各段位に応じて、基本技術、型、約束組手や組手、スペシャルテクニックやパワーブレイキングが実施されます。 ITFテコンドーの4つの競技は、それぞれが異なる側面を持ちながら、互いに補完し合っています。型で技を磨き、組手で実戦性を高め、スペシャルテクニックで身体能力を引き出し、パワーブレイキングで集中力と決断力を養う。この積み重ねが、テコンドーの「総合的な強さ」を形づくります。国内の道場では、基本的に4つすべての競技について指導しており、押上道場も同様です。指導者の山上先生も型と組手に偏りなく全日本選手権・国際大会の激戦区競技カテゴリーで選手実績があります。いずれも満遍なく稽古・習得し、「総合的な強さ」を身に付けましょう。

テコンドーの大会に選手として出場するときの心得

TKD-SORA(押上テコンドークラブ / テコンドー押上道場 )は選手の育成も行っています。また日本国際テコンドー協会に加盟しており、稽古生は、年間を通じて様々な大会に出場するチャンスがあります。地区大会や都道府県大会、全日本選手権、さらにはアジア選手権や世界選手権など、大会にも様々な種類がありますが、いずれも日々の稽古の成果を発揮し、自分自身を試す絶好の機会です。ここでは、大会に選手として出場するための準備のポイントや、心構えをお伝えします。大切な機会に万全の態勢で臨めるよう、理解と実践を心掛けてください。 大会の手続き: ステップ1:大会情報の確認まずは、日本国際テコンドー協会の公式サイトや先生を通じて、大会の開催情報を収集します。気になる大会があれば「大会要項」を確認し、詳細を確認しましょう。「大会要項」には、以下の重要な情報が記載されています。・大会の日時、場所・出場資格(年齢、級・段位)・競技種目、ルール・参加費・申込締切日 ステップ2:所属道場を通じての申し込み大会への申し込みは、個人で直接行うのではなく、所属する道場の先生が取りまとめて行います。①出場意思を伝える:指導員の先生に「〇月の大会に出場したいです」と意思を伝えてください。多くの場合、出場資格と先生の承認があれば、出場することができます。②道場内の手続き:大会申込書に記入したり、オンラインフォームに入力したりします。道場内での申込締切は、公式の締切日より早めに設定されていることがほとんどなので注意しましょう。③参加費の支払い: 指導員の先生の指示に従い、参加費を支払います。 入念な準備: 大会は確かに特別な一日ですが、その一日のために必要なのは、日々の積み重ねです。「試合当日だけ頑張る」ということはできません。当日に最大限の力を発揮するため、以下を徹底しましょう。・十分な練習:質、量ともに重要です。道場での稽古で自分の課題を明確にしつつ、個人練習でブラッシュアップを図りましょう。・ルールの理解:どのような技が有効なのか、高得点に繋がるのか、反則や失点になるのか理解することは、勝敗を分ける鍵となります。確実に理解し、戦術を練る際や、練習効果を高めることに役立てましょう。必要に応じて日本国際テコンドー協会の競技規定も確認しましょう。▶型競技のルールに関する記事はこちら!▶組手競技のルールに関する記事はこちら!・体調管理:体調管理も選手の大切な責任です。どれだけ努力を重ねても、怪我や体調不良により大会に出場できなくなってしまっては、元も子もありません。練習は無理をしない、不摂生をしない、少しでも体調に違和感を感じたら回復に努める等、自己管理に気を配りましょう。また、大会によっては体重別で行われる競技もあります。減量が必要な場合は、計測前の数日間で慌てないよう、計画的に準備を進めましょう。 ※棄権についてどれだけ体調管理に細心の注意を払っても、どうしても、大会出場が叶わない事情が発生してしまうこともあるかもしれません。万一、大会出場を棄権せざるを得ない場合は、マナーとして必ず即時連絡(先生を通じて大会事務局に)します。特に、前日、当日の連絡は大会運営に大変な負担となるだけでなく、他の選手にも迷惑がかかります。これをよく理解し、安易に棄権とならないよう安全、体調、スケジュールの管理には万全を期すようにしましょう。 当日の持ち物: 当日に慌てることのないよう、前日までには準備を整えておきましょう。・道着・帯・防具一式(ヘッドガード、ファウルカップ、マウスピースなど)・タオル・飲み物(スポーツドリンクなど)・軽食(試合間のエネルギー補給用)・爪切り(試合前に爪を整えるため)・替えの道着やTシャツ(汗をかいた後の着替え)・大会資料(事前案内のプリント類)・保険証 当日の注意点 ・会場には時間に余裕をもって到着する・招集時間を厳守する・試合前のウォーミングアップは目的意識をもってしっかり行う・水分補給と休憩をこまめに取る・体重測定がある場合は、計測時間と内容を事前に確認する(前日計量が行われる場合もあります) 感謝と敬意: 大会は、試合に出る選手だけが全てではありません。様々な立場の人が関わり、協力し合うことで、一つの素晴らしいイベントが成り立っています。大会に出場できるのは、こうした人々のおかげです。「礼に始まり、礼に終わる」というテコンドーの精神を体現しましょう。・対戦相手:自分と同じように、対戦相手も日々の厳しい稽古を積み重ねて試合に臨んでいます。互いが全力を尽くすことで、初めて素晴らしい試合が生まれます。勝敗にかかわらず、互いの努力を称え合い、敬意を示しましょう。・仲間:一緒に練習し、互いに切磋琢磨してきた仲間の支えが、試合での自信につながります。また、仲間の応援は心強い後押しとなります。・審判:安全で公正な試合進行をしてくれる審判へリスペクトを示しましょう。万が一、判定に納得がいかないことがあったとしても、成長の機会と捉え、冷静に受け止めましょう。・試合を運営するスタッフ:大会を円滑に進めるために尽力してくれるスタッフのおかげで、選手は競技に集中できます。・家族や友人:日々の送り迎えや練習への理解、応援といった家族や友人の支えがあってこそ、安心してテコンドーに打ち込むことができます。 フェアプレーの精神: 大会は勝敗を競う場であると同時に、テコンドーという武道の精神を表現する舞台でもあります。勝ちへのこだわりは大切ですが、そこに至る手段や態度は、それ以上に重要です。試合では、まず正確なルールを理解し、その範囲の中で全力を尽くすことが基本です。クリーンで力強い技術は、審判にも明確に評価されやすく、高ポイントにつながります。公正なプレーや、勝ってもおごらず、負けてもふてくされない謙虚な態度は、見ている人の心を動かします。反則行為や尊大な振る舞いは、自分自身の価値を下げるだけでなく、会場全体の雰囲気をも損ないます。テコンドーの名に恥じない立ち居振る舞いを心掛け、最後まで正々堂々と戦うこと。それが本当の意味での「強さ」であり、選手としての価値につながります。 大会前は、不安や緊張で胸がいっぱいになるものです。しかし、それは真剣に稽古に取り組んできた証でもあります。大切なのは、その不安を力に変え、「これ以上はできない」と思えるほど準備を重ねること。そこまでやりきれたら、あとは自分を信じて試合に臨むだけです。試合では、思い通りにいかない場面や相手に押される瞬間もあるでしょう。そんな時こそ、最後まで諦めない強い心が試されます。最後の一秒まで全力を尽くす姿は、勝敗を超えて多くの人の心を打ち、あなた自身の誇りとなります。結果がどうであれ、その経験は必ず次の成長につながります。道場で積み重ねてきた努力を胸に、自分を信じて、一歩踏み出してください。あなたの挑戦を、先生や仲間、そして応援してくれる全ての人が見守っています。

サポートメンバーの役割

テコンドーの大会や審査に臨むメンバーがいる場合、出場する本人の準備はもちろんですが、選手を支えるサポートメンバーの役割も非常に重要です。サポートメンバーには、試合のインターバル時のアドバイスや身体のケアなど、様々な役割があります。サポートメンバーの力があってこそ、選手は本番で最高の力を発揮することができますので、出場しないメンバーも含め、道場一体となって試合・審査に臨みましょう。 サポートメンバーの役割 例として以下が挙げられます。・タオルや水分の提供・身体のケア・試合の応援・試合動画の撮影・ウォーミングアップのパートナー また、サポートメンバーの中でも「コーチ(セコンド)」は、様々な厳格なルールの遵守が必要となる重要な役割を担います。コーチ(セコンド)になるためには、知識や心構えが必要となります。「コーチ」というと、スポーツの指導者のようなイメージが強いかもしれませんが、テコンドーにおける「コーチ(セコンド)」は、試合のインターバル時のアドバイスはもちろん、選手のスケジュール管理、汗拭き、水分補給など、選手が最高の状態で試合に臨めるよう、細かなケアも行います。「コーチ」と「セコンド」は似た意味で使われることもありますが、国際大会では「コーチ」という語が使用されます。 コーチ(セコンド)の役割 ・出場選手の付き添い・スケジュール管理・ウォーミングアップのパートナー・試合準備のサポート・インターバル時のアドバイス・汗拭き、水分補給、アクシデントの対応 国際大会におけるコーチの規則 ・コーチは、審判員の指示や決定に無条件で従わなければなりません。・競技中、コーチはジャージと体育館シューズを着用しなければなりません。ただし、ショートパンツは禁止です。コーチは選手のためにタオルと水のボトルを持参することができます。・組手、型などの競技中にコーチはコートから1 メートル以上離れていなければなりません。スペシャルテクニックとパワーブレイキングの競技中、コーチは試割り台等の設備から1 メートル以上離れていなければなりません。・競技中、コーチは競技を妨害するような行為をしてはなりません。・競技中、コーチは、落ち着いた姿勢で、選手に対し手のジェスチャーや口頭での指示することができます。・コーチはレフェリーの承認なしにコートに入ってはいけません。・競技中、コーチは所定の席に着席していなければなりません。コーチは選手に指示を与えるために席から立ち上がってはいけません。・競技中に指示を与えるとき、コーチは冷静沈着に行動し、また礼儀正しく行動する必要があります。・競技中にマナーを守る必要があります。ガムを噛んだり薬物やアルコールの影響下にあってはなりません。・コーチは、選手が競技場とスタジアムの公共エリアの両方でテコンドーの精神を遵守し行動しなければなりません。・コーチは、選手の規則違反または不適切な行為に対して責任を負うものとします。・​​コーチ以外にもチーム内の選手やサポートメンバーが競技観戦中に対戦相手を嘲笑または侮辱してはいけません。 以上は、試合の際におけるコーチ(セコンド)の役割と規則ですが、普段は道場の稽古でのトレーニングのサポーターや稽古パートナーとなったり、対戦相手の研究を行い試合の作戦を一緒に考え、身体のケア、減量のサポート、メンタルケアなども行います。常に選手に寄り添ってあげることが大事になります。 サポートメンバーのサポートが、試合の勝敗や審査の合否に影響することも十分にあります。サポートメンバーも、一緒に試合・審査に参加しているという緊張感や責任感を持って、役割を全うするようにしましょう。もちろん選手自身も、サポートメンバーのお陰で出場でき、パフォーマンスを発揮できていることを忘れないようにしてください。試合の勝敗や審査の合否に関わらず、道場一体となって喜び悲しみ合い、一緒に成長していける道場となることを願っています。

テコンドーにおける組手競技のルール

テコンドーの試合に出場する選手や、試合の観戦者は、競技のルールを理解する必要があります。選手にとっては、試合を公正で安全なものにするために、ルールの遵守が求められます。また、ルールを知ることで試合の進行を理解しやすくなり、ルールに基づいて戦略を立て、効果的なパフォーマンスを展開できるようになります。さらに、テコンドーは単なる競技だけでなく、武道としての側面も重要視されているため、ルールを理解し守ることで、テコンドーの精神や哲学を体得することができます。観戦者にとっては、ルールが分かることで試合を何倍も楽しむことができます。ここでは、成年組手(マッソギ)競技の基本的なルールを紹介します。前回紹介した型(トゥル)のルールと合わせて、覚えるようにしましょう。 試合方式 各大会により、トーナメントもしくはリーグ戦によって行われます。 コート 9m✕9m幅で仕切られた正方形のコートで競技が行われます。 ドレスコード ・ITF公認道着と公認帯を着用・ITF公認防具(グローブ、フットプロテクター)を着用・成年男子有段の部はマウスピース・成年有級の部は男女ともに公認フェイスガード・成年女子有段の部も公認フェイスガード・男子はファールカップ着用・有級女子は胴防具着用 競技 2分×2ラウンド(インターバル1分)の試合の中で、ライトコンタクトでの攻防によるポイントの数を競います。決着がつかなければ延長戦、そこでも引き分けとなれば再延長戦へと進みます。・延長戦:1分×1ラウンド・再延長戦:ゴールデンポイントにより決着(時間制限なく、ポイントを先取した選手が勝利)※各大会のルールにより決勝のみ2分×2ラウンド(インターバル1分)、決勝以外は2分×1ラウンドで行う場合もあります。 判定方法 ・4名の副審が各々ポイント採点を行い、2ラウンド合わせたポイントの加点及び減点を集計します。・2ラウンド終了後、採点結果に基づき、4名の副審が各々勝者と判定した選手側の色(赤または青)の旗をあげます。旗の数が多い選手が勝者となります。・4名の副審のによる旗判定の結果、旗の数が同数の場合、または3本以上が引き分け判定の場合は引き分け(ピギン)となり、延長戦を行います。同様に4名の副審による判定、旗の数で勝者が決まります。・延長戦の旗判定による結果が引き分けの場合、再延長戦にてポイントを先取した選手が勝利となります(ゴールデンポイント)。 ターゲット領域 ・顔の正面および側面(背中、うなじ、首を除く)・脇の下から両側の腰まで垂直に引いた線からなる体幹の前部領域(背中を除く)・肘から指までの腕が身体に触れている場合、それは身体の一部とみなされ、それによって相手はポイントを得ることができます ポイント ライトコンタクトでの攻防によるポイントの数を競います。有効ポイント:有効ポイントは1ポイントから5ポイントまでの点数が設けられています。 1ポイント・蹴りによる中段への攻撃・突きによる中段/上段への攻撃 2ポイント・蹴りによる上段への攻撃・跳んで蹴りによる中段への攻撃・跳んで突きによる上段への攻撃 3ポイント・跳んで蹴りによる上段への攻撃・跳んで180度回転した蹴りによる中段への攻撃 4ポイント・跳んで180度回転した蹴りによる上段への攻撃・跳んで360度回転した蹴りによる中段への攻撃 5ポイント・跳んで360度回転した蹴りによる上段への攻撃 無効ポイント:有効ポイントとならない・ガードが正しくされている場合・攻撃は当たったがバランスを崩して転倒した場合・スピードのない攻撃、引きのない攻撃、コントロールのされていない攻撃 反則 注意・両足が完全にコート外に出ること・足裏以外の部位が地面に触れる(転倒などで手が地面につくなど)・相手を掴む、持つ、組む・手や体で相手を押す・直線的な突き以外の手による攻撃・3発以上の連続的な突き・負傷したかのように振る舞うこと・故意に組手(攻防すること)を避ける・繰り返し得点したかのように振る舞うこと・逃げるために故意に背中を向けること・背面及び下段への攻撃 減点・コントロールされていない攻撃・相手を侮辱する・噛む、掻く、爪で引っかく・主審が試合を止めているときに、倒れた相手または無防備な状態の相手を攻撃する・頭、肘、膝を使った攻撃・故意に相手を転ばせる・故意に場外に出る 体重別カテゴリー 体重別でカテゴリーが分かれています。成年女子:- 47 kg, – 52 kg, – 57 kg, – 62 kg, – 67 kg, – 72 kg, – 77 kg, + 77 kg成年男子:- 52 kg, – 58 kg, – […]

テコンドーにおける型競技のルール

テコンドーの試合に出場する選手や、試合の観戦者は、競技のルールを理解する必要があります。選手にとっては、試合を公正で安全なものにするために、ルールの遵守が求められます。また、ルールを知ることで試合の進行を理解しやすくなり、ルールに基づいて戦略を立て、効果的なパフォーマンスを展開できるようになります。さらに、テコンドーは単なる競技だけでなく、武道としての側面も重要視されているため、ルールを理解し守ることで、テコンドーの精神や哲学を体得することができます。観戦者にとっては、ルールが分かることで試合を何倍も楽しむことができます。ここでは、型(トゥル)競技の基本的なルールを紹介します。次回紹介する組手(マッソギ)のルールと合わせて、覚えるようにしましょう。 試合方式 各大会により、トーナメントもしくはリーグ戦によって行われます。 コート 9m✕9m幅で仕切られた正方形のコートで競技が行われます。 ドレスコード ITF公認道着と公認帯を着用 競技 ※各大会により異なる場合があります 個人の型競技では対戦する同じ段級位の2名が規定のトゥルを行い技量を競います。競技者は、「選択の型」、「指定の型」の順に2種類の型を行います。選択の型は各級位・段位課題の型から選手が1つ自由に選択した型を行います。指定の型は審判員より指定(口頭やカードにより提示)された型を行います。最初の型「チョンジ」から各課題の型までの内からひとつが指定されます。選択の型、指定の型いずれも、2名の選手が同時に行います。 「選択の型」「指定の型」の例: 緑帯の部  選択の型(6級トサン〜ウォ二ョ・5級ウォニョ〜ユルゴ) 指定の型(5級同士の場合チョンジ~ユルゴ、5級対6級の場合チョンジ~ウォニョ)1段の部 選択の型(クァンゲ・ポウン・ケベク) 指定の型(チョンジ〜ケベク)2段の部 選択の型(ウィアム・チュンジャン・チュチュ)  指定の型(チョンジ〜チュチェ)※各大会のルールにより決勝のみ「選択の型」、「指定の型」の2種類の型を行い、決勝以外は「指定の型」のみを行う場合もあります。 判定方法 ・「選択の型」「指定の型」が行われた後、両方合わせて総合的に判定されます。・5名の審判員が、両選手の試技をそれぞれ評価し、優劣を判定します。・5名の審判員による旗判定の結果、旗の数が多い方が勝者となります(3本以上が引き分け判定の場合は除く)。・5名の審判員による旗判定の結果、旗の数が同数の場合、または3本以上が引き分け判定の場合は引き分け(ピギン)となり、延長戦を行います。・延長戦は審判員により提示される指定の型で競われます。・延長戦は勝者が決定するまで繰り返し行われます。 評価項目 以下の各項目について、その場で型が評価されます。 ①規定(Technical Contents)・構えの正確性・演武線、足運びの正確性・立ち方、動作、高さ(上段、中段、下段)、身体の向きの正確性 ②力(Power)・力の理論に則った力であるか、反動を利用し、集約させた力であるか・適切な脱力と緊張となっているか ③呼吸調節(Breath Control)・各動作に適した呼吸法となっているか・呼吸音の適切性 ④リズム(Rhythm)・動作間のリズム・動作規定上のリズム ⑤バランス(Balance)・動作の安定と平衡・立ち方及び姿勢の安定性・移動時の動的安定性・跳躍時のバランス また、型競技において気を付けなければならない点としては、重大な間違い等があると「失格」(ディスクオリフィケイション:0ポイント)となり評価されないことがあります。失格となるのは次のような場合です。・明らかな動作の中断・明らかな動作の間違い・動作数の過不足・トゥルの呼称間違い・進行方向や演武線の間違い 以上が、型競技の基本的なルールとなります。大会への出場を目指す方は、ルールを意識しながら練習に取り組むことで、より高い効果が得られるでしょう。大会への出場予定がない方も、昇級・昇段審査や演武に必要な技術の習得に通ずる部分もありますので、参考にしてみてください。日本国際テコンドー協会の競技規定も確認しましょう。また、ルールの理解・遵守だけでなく、対戦相手を尊重することも重要です。選手も観戦する方も、相手への敬意を忘れないようにしてください。