テコンドー上達のための食事

テコンドー上達のためには、運動の効果向上や身体づくりのため、食事など摂取する物にも気を遣うと良いでしょう。
稽古前の食事、稽古中の栄養・水分補給、稽古後の食事、普段の食事には、それぞれの役割があり、同じものを同じだけ食べればよいというわけではありません。
目的意識を持ち、その時々に適切な内容・量を摂れるように心掛けましょう。

稽古前の食事

稽古前の食事は、その日の稽古を最高のものにするために必要なエネルギーを身体に蓄え、コンディションを整えることが目的です。稽古で主にエネルギー源となるのは炭水化物ですので、稽古の1~2時間前までに適量の米や麺類、パンなどを食べましょう。炭水化物(糖質)は太りやすく、なるべく我慢しているという方もいるかもしれませんが、運動中に炭水化物が不足してしまうと、必要なエネルギーを得るために筋肉が分解されてしまいます。無酸素運動では糖質が主なエネルギー源として利用されますので、稽古中に糖質が不足し、たんぱく質が分解され筋肉を減らさないために、事前にエネルギー源としてで適切な量の糖質を摂っておきましょう。
また、脂質の多いものは消化に時間がかかるため、運動前は低脂質なものなど消化の良いものを食べましょう。脂質の多いものや気合を入れて量を食べ過ぎてしまうと、稽古中に気持ち悪くなってしまうこともありますので、気を付けましょう。

稽古中の水分補給

運動中は、汗や呼気などから多くの水分が失われます。体重の 2%(例:体重60kgの場合、1.2kg)以上が失われると、集中力や持久性能力の低下など運動パフォーマンスに影響するため、運動前後の体重減少が 2%以内におさまることを目安に、適切に水分補給をしましょう。
水分は体内に吸収されるまで 30分程度かかるとされているため、運動開始 30 分前からの補給を心がけます(目安:250~500mL)。運動中は少量ずつ、こまめに補給します(目安:1 時間あたり 3~4 回、1 回あたり 200~300mL 程度)。押上道場でも、稽古中に水分補給の時間を1時間に数回設けていますので、その際にはしっかりと水分補給をするようにしましょう。
発汗により水分だけでなくナトリウムなどの電解質も失われます。お水だけを摂りすぎると、体液中の水分とイオンのバランスが崩れてしまうため、食塩を含んだ飲料が適しています。また、糖質を含んでいると、腸管での水分の吸収効率が高まります。日本スポーツ協会では、塩分 0.1〜0.2%、糖分4〜8%、温度 5~15℃の飲み物を推奨しています。冷たいスポーツドリンクが運動中、運動後の飲み物として適しています。

稽古後の食事

運動直後は、たんぱく質などの栄養素を吸収しやすい状態になっています。たんぱく質は、筋肉中のエネルギー源の回復のピークである運動後45分~1時間以内に補給されているともっとも効率が良いといわれています。そのため、たんぱく質は運動前ではなく、運動後30分以内に摂取することを心がけましょう。運動後は肉や魚がメインのしっかりとした食事を取るのが理想ですが、すぐに食事ができない場合は、まずはプロテインや豆乳、牛乳、ヨーグルトドリンクなどを飲んでおくのも手です。
さらに、速やかに糖質を摂取すると、運動で減ってしまった筋グリコーゲンの回復に役立つため、筋タンパク質の分解を抑えられると言われています。
また、運動後の体を回復するために続く代謝を助けるため、汗と一緒に流れてしまった、ビタミンやミネラル類を補うことも必要です。特に、糖質や脂質を筋肉や肝臓に蓄えるエネルギーに変える際に必要なビタミンB群や、タンパク質の吸収率を向上させるビタミンCなどを意識して摂るようにするとよりよいでしょう。

普段の食事

日常的に大切なのは、栄養バランスのよい食事です。五大栄養素である炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルを偏りなく摂取することが重要です。
たんぱく質は体をつくる栄養素の一つであり、体を鍛え始めると筋肉をつけるために多く摂ろうとしてしまいがちですが、過剰摂取には注意が必要です。
必要以上にとり過ぎたたんぱく質は窒素となりアンモニアに変わります。体に有害なアンモニアを無害化し、尿として体外に排出するため、肝臓や腎臓に負担をかけてしまいます。逆にたんぱく質が不足してしまうと、筋力や免疫力の低下、肌や髪がカサカサになるといった美容にもよくない効果があります。
たんぱく質に限らずどの栄養素についても、不足したり多く摂りすぎると体によくありません。日頃から五大栄養素をバランスよく摂ることを心掛けましょう。

テコンドー上達のために、技術を磨くことが重要であるのは言うまでもありませんが、そのためには、稽古の効果を高める栄養の摂取や、土台となる身体づくりが必要です。
上記でご紹介したとおり、稽古がある日は、稽古前に糖質、稽古中に水分補給、稽古後にたんぱく質、糖質、ビタミンミネラル類を摂るようにしましょう。
また、普段の食事では、五大栄養素をバランスよく摂りましょう。 摂取したものは、文字通り自分の血となり肉となることを意識し、食べるものやタイミングに気を遣うようにしましょう。
You are what you eat!