テコンドー百科事典

テコンドーは、1955年に韓国で正式に誕生してから、過去数十年にわたって急速に発展しました。現在では、ITFテコンドーは128 の加盟国に 約5,000 万人の修練生を擁する巨大な国際組織に拡大しています。
テコンドーがこれほど多くの人に親しまれ、世界中に普及していった要因の一つとして、創設者である崔泓熙(チェ・ホンヒ)総裁が残した統一されたテキストの存在が挙げられます。

崔泓熙総裁は、以下等の出版物を残しています。
Human Weapon Magazine (1st Taekwon‑Do Magazine), 1969
Taekwon‑Do (6 Editions & 2 Reprints 1972–1986), 1972
Encyclopedia of Taekwon‑Do: 15 Volume Set (5 Editions 1985–2008),1983
Condensed Encyclopedia (6 Editions 1988–1986), 1988
Taekwon‑Do and I: 3 Volume Set, 2000
Moral Guide Book, 2000

上記のうち、「テコンドー百科事典」 (Encyclopedia of Taekwon-Do) は、技術、力の理論、訓練カリキュラム等が体系化されたものです。全15巻から成り、1983年に刊行されました。1999年の第5版まで崔泓熙が関わる形で改訂が行われ、1988年には要約版百科事典(Condensed Encyclopedia) も刊行されました。
この百科事典は、テコンドーの定義、歴史、哲学、力の理論、立ち方、攻撃部位、受けの部位、急所、手技、足技、24の型の解説、稽古方法等が、包括的な説明と詳細な写真によって記されています。

テコンドー百科事典により、世界中の指導者や稽古生が統一されたテコンドーを学ぶことが可能となりました。現在も、世界各国の指導者にとってITFテコンドーの技術を伝えるための1つの基準となっています。
崔泓熙総裁が亡くなった今でも、創設者の想いやテコンドーの原点に立ち返ることができる、指導者にとってまさに「バイブル」のような存在です。

時代や場所が変わっても、創設当時のテコンドーの精神や技術を受け継ぎ、広めることができるのは、崔泓熙総裁が書籍という形で知識を残し、それを指導者たちが分かりやすく稽古生に教えているからです。
押上テコンドークラブでも、「テコンドー百科事典」に基づいた指導をしています。
年代や国を超えて、テコンドーを通じて共通の精神や技術を分かち合っていることを、感じてみてください。