テコンドーの基本的な用語

押上テコンドークラブに入門してまず習うのは、「礼」です。
武道の稽古は「礼に始まり礼に終わる」と言われます。
礼によって相手を尊重し、敬意を示す、武道で大切にされる精神です。
テコンドーの稽古で礼をするときは、

チャリョッ(차렷:気をつけ)
キョンネ(경례:敬礼)

という韓国語の号令でお互いに頭を下げ、お互いに「テコン(태권)」と言うことで礼をします。
他にも韓国語の号令や用語がたくさんありますので、紹介します。

数の数え方

韓国語では日本語と同様に、漢数詞(1, 2, 3...)と固有数詞(1つ, 2つ, 3つ...)があります。
テコンドーの稽古で数を数えるときは、蹴りや動作の反復をする際など、主に固有数詞を使います。
漢数詞も番号などで使うこともあります。漢数詞は漢字に由来していることから、中国語や日本語の発音とも似ていますね。

漢数詞 (番号などで用いる) 固有数詞(稽古で毎回使う)
1 일(イル) 1つ 하나(ハナ)
2 이 (イー) 2つ 둘(トゥル)
3 삼(サム) 3つ 셋(セッ)
4 사(サー) 4つ 넷(ネッ)
5 오(オー) 5つ 다섯(タソッ)
6 육(ユッ) 6つ 여섯(ヨソッ)
7 칠(チル) 7つ 일곱(イルゴプ)
8 팔(パル) 8つ 여덟(ヨドル)
9 구(クー) 9つ 아홉(アホプ)
10 십(シプ) 10 열(ヨル)

立ち方

立ち方のことを「ソギ(서기)」といいます。

  • チャリョソギ(차렷 서기:気を付けの立ち方、Attention Stance)

    左右の踵を合わせ、つま先を 45°開き、背筋を伸ばして立つ。

  • ナラニソギ(나란히 서기:平行立ち、Parallel Stance)

    両足の外側が肩幅と同じ幅になるように足を開き、つま先を正面に向ける。体重配分は左右均等に 5:5 にする。背筋を伸ばして立つ。

  • アンヌンソギ(앉는 서기:座り立ち、Sitting Stance)

    足の内側が肩幅の 1.5 倍になるように開く。つま先は真っ直ぐに向ける。膝をつま先のラインまで曲げる。背筋を伸ばして立つ。体重配分は左右均等に 5:5 にする。

  • コンヌンソギ(걷는 서기:歩き立ち、Walking Stance)

    足の横幅は足の中心が肩幅になるように開き、前後幅はつま先からつま先までが肩幅の 1.5 倍になるように開く。後ろの膝は真っ直ぐ伸ばし、つま先は25°外側に向ける。前の足の膝頭が踵の上の位置に来るよう曲げる。背筋は真っ直ぐ伸ばし、 体重配分は前後均等に 5:5 にする。

  • ナラニチュンビソギ(나란히 준비 서기:平行準備立ち、parallel ready stance)

    足はナラニソギをとり、肘は伸びきらないようにして拳を下腹部の前に置く。帯と拳の距離は約7cm、拳と拳の間隔は 5cm にする。

高さの名称

ノプンデ(높은데:上段、High)
カウンデ(가운데:中段、Midlle)
ナジュンデ(낮은데:下段、Low)

部位の名称

アプチュモク(앞 주먹:拳)
パカッパルモク(바깥팔목:外手首)
アンパルモク(안팔목:内手首)
ソンカル(손칼:手刀)
アプクムチ(앞꿈치:上足底)
ティックムチ(뒷꿈치:踵)

蹴りの名称

キボンチャギ(기본차기 基本蹴り)
アプチャプシギ(앞차부시기:前蹴り)
トルリョチャギ(돌려차기:回し蹴り)
ヨプチャチルギ(옆차찌르기:横突蹴り)
ネリョチャギ(내려차기:かかと落とし)
アプチャオルリギ(앞자 올리기:前蹴り上げ)
ヨプチャオルリギ(옆차 올리기:横蹴り上げ)

動作の名称

動作の名称の法則性:(立ち方)+(使用する部位)+(攻撃・防御をする高さ)+(動作の種類)

コンヌンソ・カウンデ・パロ チルギ(걷는 서 가운데 바로 찌르기)=歩き立ち中段順突き

コンヌンソ・パカッパルモク・ナジュンデ・パロ マッキ(걷는 서 바깥팔목 낮은데 바로 막기)=歩き立ち外手首下段順受け

コンヌンソ・アンパルモク・カウンデ・ヨンマッキ(걷는 서 안팔목 가운데 옆막기)=歩き立ち内手首中段横受け

コンヌンソ・ソンカル・ナジュンデ・パロマッキ(걷는 서 손칼 낮은데 바로 막기)=歩き立ち手刀下段順受け

準備姿勢

ナラニ・チュンビ・ソギ(나란히 준비 서기:平行準備立ち、Parallel Ready Stance)

アンヌン・チュンビ・ソギ(앉는 준비 서기:座り準備立ち、Sitting Ready Stance)

コンヌン・チュンビ・ソギ(걷는 준비 서기:歩き準備立ち、Walking Ready Stance)

サージュ・チルギ(사주찌르기 :四柱突き、Four Direction Punch)

サージュ・マッキ(사주막기:四柱受け、Four Direction Block)

上体の向き

オンモム(온몸:前身、全身)
パンモム(반몸:半身)
ヨンモム(옆몸:横身)

ミョンチソン(명치 선:正中線)
カスムソン(가슴 선:胸の線)
オッケソン(어깨 선:肩の線)

その他の名称・意味

チャリョッ(차롓:気をつけ) シュィオ(쉬어:休め)
キョンネ(경례:敬礼)) トラソ(돌아서:回れ)
トゥル(틀:型) ヘチョ(헤쳐:分かれて)
マッソギ(맞서기:組手) パロ(바로:正、順)
チュンビ(준비:準備) パンデ(반대:反対、逆)
シージャッ(시작:始め) ヨンソッ(연속:連続)
クマン(그만:止め) チョンミョン(정면:正面)
パロォ(바로:直れ、元に戻れ) ソロ(서로:お互い)


以上、テコンドーで一般的な用語や名称の一部について紹介しました。これらは、意味を覚え理解することで、型や組手の動作に対する理解が深まり、上達する助けになります。 大変だと思いますが、頑張って覚えて日々の稽古を充実したものにしていただければ幸いです。