試割板について

先日、山上先生が稽古で使用する板を買いに、初めて試割板専門店である 株式会社杉戸銘木店さんに行ってきました。 テコンドーというと「トゥル(型)」や「マッソギ(組手)」を思い浮かべる方も多いかと思いますが、テコンドーの競技には「パワーブレイキング(威力)」や「スペシャルテクニック(特技)」もあります。 パワーブレイキングは技の威力を割った板の枚数で競う競技で、スペシャルテクニックは、指定された跳び蹴りによる板割りによって、その高さまたは距離を競う競技です。

パワーブレイキングやスペシャルテクニックでは、試割板(しわりいた)が必要となります。 試割とは、自身の技の威力を試すために物を割るという意味合いがあり、競技や演武の本番で使う板も「試割板」と呼びます。 今まで、板ひとつにそれほど大きな違いがあると思っていなかったのですが、埼玉県杉戸町にある杉戸銘木店さんを訪れたところ、プロの木材屋さんであり空手の指導者もされている塩野谷先生からお話を伺い、専門店としての配慮の細やかさに感銘を受けたそうですので、ご紹介します。

試割板の正しい向き

試割板にも表裏や上下があります
【見分け方】
表裏:年輪の外側が表、内側が裏側です。
上下:元(木の根元側)を上、末(梢側)を下にするのが正しい持ち方です。木目の幅が広がっている方が元、細くなっている方が末です。

武道は礼儀作法を重んじますので、表裏・上下などの細やかな形式にも気を配ります。
杉戸銘木店さんの試割板には、社名の焼印が押してあり、表裏・上下がすぐに判断できるようになっています。
木表に焼印があるため、板を持つ人は焼き印を板を割る人の方に向けて持つだけでよく、もたつくことなく演武の進行等をスムーズに行うことができます。
正しい向きが分かりやすいよう焼き印がある試割板を、山上先生は初めて見たそうです。
空手の指導者もされている塩野谷先生ならではの、きめ細やかな心遣いですね。
稽古生の皆さんも、試割り板の向きや道着の着用の仕方など、細かな作法に気を配るようにしましょう。

板の種類

杉戸銘木店さんの店頭では、以下のサイズの試割版を取り扱っていました。
もっと厚い板の受注生産もしているそうです!
【30cm×約23cm】※仕様は目安です
・30mm(1寸板):超上級者用
・24mm(8分板):上級者用(黒帯有段者)
・21mm(7分板):上級者用(黒帯有段者)
・18mm(6分板):上級者・中級者用(黒帯有段者)
・15mm(5分板):上級者・中級者用
・12mm(4分板):初級者(小学生・有級者・女性)・未経験者
【30cm×約22cm】
・9mm(3分板):初級者(小学生低学年・女性)・未経験者
・7mm(2分3厘板):初級者(幼稚園、小学生低学年、女性)・未経験者

こんなに豊富な種類を取り扱っているのも、専門店の魅力ですね!
今回は21mm(7分板)、18mm(6分板)の板を購入しましたが、今後は稽古生の状況に応じて、他の種類も検討したいです。
これだけの種類があると、稽古生の皆さんも次の目標を立てやすく、自身のステップアップも実感できますね。
山上先生も、30mm(1寸板:超上級者用)や、それ以上の厚さの板を割れる稽古生が育つことを楽しみにしています!