ITFとWTについて

テコンドーには、大きく分けて「国際テコンドー連盟(ITF)」と「ワールドテコンドー(WT)」という2つの系統があります。 どちらも型と組手の競技があり、蹴り技に重きを置いている等の共通点がありますが、その競技特性やルールは異なります。

【歴史】

テコンドーを命名した韓国の崔泓熙(チェ・ホンヒ)総裁は、1966年3月22日、9ヶ国の承認を受けて、国際テコンドー連盟(International Taekwon-do Federation、略称:ITF)がソウルに発足しました。1972年カナダ(トロント)に本部を移します。1985年以降、ITFは、オーストリアのウィーンに本部を移転し、2023年現在は3代目会長のリ・ヨンソン会長のもと活発な活動を続けています。一方、1973年、韓国(ソウル)では世界テコンドー連盟(World Taekwondo Federation、略称:WTF)(2017年、ワールドテコンドー(WT)に改称)が設立され、テコンドーは2つの系統に分かれて発展していくことになりました。

【型】

決められた演武線の上で、手足を使った技の正確性やパワー、呼吸、バランス、リズム等を評価して競います。身体のコントロールや表現力が試される競技です。
ITFでは型をトゥルと呼び、24種類の型があります。力の理論に基づき、全身のバネを駆使したダイナミックな動作によって構成されています。
WTではプムセと呼び、17種類の型があり、テンポの良い動作により構成されています。

【組手】

決められた部位で、決められた場所を正確に攻撃・防御する技術を得点で競います。蹴りのポイントが高くなっています。 ITFとWTでは有効技によるポイントの付け方に違いがあります。
ITFでは組手をマッソギと呼びます。多彩で力強い足技に加えて、顔面への突きも認められており、手技と蹴り技のバランスが良いルールになっています。
WTではキョルギと呼び、頭部への攻撃は蹴り技のみが認められています。

【その他の競技】

・スペャルテクニック 指定された跳び蹴りによる板割りを行い、その高さまたは距離を競います。華麗で打点の高い足技を有するテコンドー独特の競技であり、跳躍力、柔軟性、正確性を培うことができます。
ITFのみにある競技です。

・パワーブレイキング 指定された手技・足技により割った板の枚数を競います。技の「威力」を鍛えることが出来ますが、単純な筋力だけでは多くの枚数を割ることは出来ないため、潜在的な力を引き出す身体操作や、針穴に糸を通すような正確な技術も身に付けることができます。 ITFのみにある競技です。

【コート】

ITFでは正方形のコートに対し、WTでは八角形のコートで競技を行います。

【演武】

型や飛び蹴りによる板割りなどのパフォーマンスを行います。ITFもWTも、ダイナミックに身体を使ったテコンドーの技を披露します。
演武には勝敗はありませんが、高度なテクニックを使ったパフォーマンスに、観客も盛り上がります。

どちらも習い事として人気がありますが、ITFは武道色が強く、WTはスポーツ色が強いという特徴があります。その特徴から、WTは2000年のシドニーオリンピックから、オリンピックの正式種目にもなっています。より実践的な武道を学びたい方はITFテコンドー、スポーツとして楽しみたい方はWTテコンドーが向いていると言えます。

押上テコンドークラブは、ITFの日本協会である日本国際テコンドー協会(https://www.taekwon-do.co.jp/)に所属しています。当ホームページでは、特段の記載がない限り、「テコンドー」はITFテコンドーを表します。 武道としてのテコンドーに興味がある方は、是非、無料体験にお越しください。トップページのお問い合わせフォームより受付しています。